パソコンのデータ消去に関する今さら聞けない基礎知識を簡単に解説

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誤ってパソコンで作成したデータを消してしまった経験はありませんか?

数時間かけて作ったデータを誤って消してしまうと、今までの苦労が水の泡になってしまいます。そこで、「パソコン データ削除 復元」などで検索してみると、いくつかの復元方法が紹介されているWebサイトがでてきます。

それを見て、データを復元された方もいるのではないでしょうか。

ここで疑問に思うことはありませんか?

データを削除して、ごみ箱も空にしたのになぜデータは復元できたのか?

これだとデータ消去とは言えないのでは?

今回は、今さら人には聞けないデータ消去の基礎知識について解説します。データ消去についての仕組みを簡潔にわかりやすく説明するとともに、データ消去証明書など、データ消去の最新情報を紹介します。

 

データが保存される仕組み

以前、本コラムの「パソコンのデータ消去を行う業者の探し方・選び方」でも簡単に触れましたが、データが保存される仕組みをおさらいしましょう。

データには「データの管理情報」と「データ本体」があり、データがハードディスクに保存される場合、この2つの情報が保存されます。この2つの情報はリンクしているため、「データの管理情報」から「データ本体」が呼び出されて、データがモニタ上に表示されます。

データが消去される仕組み

次は、データを消去した場合にどうなるかを説明します。

消去するデータをゴミ箱に入れて、「ゴミ箱を空にする」を選択すると、先ほどの「データの管理情報」と「データ本体」が完全に消去されるのではなく、「データの管理情報」だけが消去されます。

「データの管理情報」を消去すると、OSからはそのデータにアクセスすることができなくなるため、OSはそのデータはなくなったものと認識し、「データ本体」も“空き容量扱い”になります。

別の新しいデータが保存される際は、空き容量扱い「データ本体」に上書きされるという仕組みです。

つまり、ごみ箱を空にしても、「データ本体」はまだハードディスクに残っているのです。

データを復元する方法

前述のとおり、「データ本体」はハードディスクに残っているため、専用のソフトを使うことで、データを復旧するすることが可能ですし、そうしたサービスを提供している業者もあります。「データの管理情報」だけが消去された状態なので、専用のソフトを使えばデータ復旧は可能なのです。

データ消去に関連する問題点

ハードディスクにデータを保存・消去する仕組みが前述のものであるため、注意しなければならないことがあります。それはパソコンの廃棄時のハードディスクの処理です。

特に企業で使用しているパソコンには、企業の機密情報や個人情報が含まれているケースがあり、パソコン廃棄の際にデータを完全に消去しないと悪用されることもあります。

パソコンの廃棄後、紛失後、盗難後などに、データが悪用された例は決して少なくありません。

パソコンを廃棄する際のデータ消去方法

こちらも本コラムの「パソコンのデータ消去を行う業者の探し方・選び方」で触れましたが、パソコン廃棄の際のデータ消去の方法はいくつかあります。

大きく分けると以下の方法となります。

  • データ消去ソフトによる消去
  • 物理的な破壊
  • 強力な磁気による消去

これらの方法は自分で行うこともできますが、専門の業者に依頼する方法もありますので、パソコン廃棄の際は、そうした専門業者を活用することも選択肢にいれておくといいでしょう。

データ消去証明書の登場

業者に依頼すると言っても、依頼したことだけでは安心できない状況もあります。

パソコンを廃棄する業者の外注先の従業員が、パソコンの廃棄時にハードディスクのデータを完全消去せずに、ハードディスクをインターネットオークションで転売していたという悪質な事件なども発生し、データが完全に消去されたかを確認する必要がでてきました。

そこで登場したのがデータ消去証明書です。

データ消去証明書とは、第三者機関が適正な消去を行ったかどうかを証明するエビデンスです。業者にはこうした第三者機関からのデータ消去証明書発行までを行うところもありますので、パソコン廃棄の際には、こうした証明書を発行してもらいデータ消去を保証してもらうことも可能だと言うことは覚えておいてください。

まとめ

ゴミ箱を空にしただけでは、データは復元可能な状態にあります。その大前提を理解して、所有するパソコンのデータを消去する際は、確実な方法でデータ消去することを心がけましょう。情報漏えい事件が後を絶たない今、第三者が保証してくれるデータ消去証明書の発行なども可能ですので、パソコン廃棄の際などには、活用されてみてはいかがでしょうか。