夏季休暇(夏休み・お盆休み)にスマホ・パソコンのセキュリティ対策が重要な3つの理由と対策とは

夏季休暇(夏休み・お盆休み)はセキュリティリスクが高く危険な時期である3つの理由

夏季休暇になると仕事や学校生活の場から離れて楽しみな夏休みを過ごすことになります。

その一方でスマートフォンやパソコンのセキュリティの意識や対策が疎かになってしまい、重大な情報漏洩事故などに発展する可能性があります。不正アクセス防止や個人情報保護などの観点からも、企業も個人もセキュリティ対策をしっかり行っておくことで、安心して夏季休暇を楽しむことができます。

今回は夏休みにおけるセキュリティのリスクが高くなる理由と、必要なセキュリティ対策をご紹介します。

夏休みが危険な理由1:セキュリティ対策の意識が低くなる

長期休暇に入ると脳のスイッチが切り替わる事でリラックスするのは良いのですが、セキュリティの意識までスイッチがオフになりがちです。普段は気を付けているはずのセキュリティの意識が低くなる傾向があり、例えば多くの人の目がある中でパソコンやスマートフォンのパスワードを入力した時に、周囲を確認せずに入力することでパスワードが盗まれ(ソーシャルエンジニアリングと言います)て、せっかくの夏休みが悲しいことになってしまう可能性もあります。

長期休暇中はキャンペーンなどのメールなどが多くなり、本当は迷惑メール・フィッシングメールなどであるに関わらずメールを開いてしまうこともあるかもしれません。

セキュリティ対策で一番重要なのはマルウェア対策ソフト(ウイルス対策ソフトのこと)などの技術対策では無く、一人一人のセキュリティに対する意識が重要です。夏休み前後や期間中にセキュリティ意識が低下すると、情報漏洩や不正アクセスなどに繋がることから、夏季休暇中や前後に注意しましょうと注意喚起がよくあるわけです。

夏休みはゆっくり休むけれど、セキュリティの意識はより重要

夏休みが危険な理由2:フリーWi-Fiなどからインターネットを使用する機会が増える

観光スポットやホテルなどでは、無料のWi-Fiが提供されていることが多くあります。

便利である一方、悪意ある第三者にとってはこのような場所こそ、セキュリティ攻撃の機会が増えるとも言えるのです。

なぜ無料Wi-Fiを注意するのか?その理由は幾つかあります。一般的にフリーWi-Fiはセキュリティ設定等が弱く、インターネットを利用するための接続パスワードも不要であり、暗号化されていない通信が行われる環境もあります。暗号化されていないと個人情報や機密情報が漏洩してしまうリスクが高まります。

フリーWi-Fiは様々な人が様々な目的で同一接続して利用する事も多く、いたずらをはじめとして暗号化されていないネットワークにあえて接続して、ネットワークキャプチャ等で他人の通信内容を読み取ろうとする人もいるのです。

だからといってフリーWi-Fiは利用しないでください。とは言いませんが、フリーWi-Fiを利用するならば注意して利用しましょう。

幾つか注意するべきポイントがあり対策編でご紹介します。

夏休みが危険な理由3:外出が多いのでPCやスマホの紛失・盗難のリスクが高くなる

一番多いのがパソコンやスマートフォンの紛失・盗難リスクです。

日本ではカフェで一時離席中にスマホやパソコンを盗難されるといったリスクはあまり高くありませんが、海外では目を離した隙にあっという間にパソコンもスマホも盗まれてしまう。と言ったことはよく耳にします。

盗難されやすい場所としては、カフェ・空港・レストラン・乗り物の乗り場などがあります。スマホやパソコンも貴重品として財布やパスポートと同様にしっかり管理するようにしましょう。

スマートフォンやパソコンでは、紛失・盗難が発生した時のリスクとしては、パスワードを入力して不正にログオンされてしまうリスクがあり、ログオンされてしまうと保存されている写真や、仕事のデータやメールなどが閲覧されてしまい、第三者の手に渡ることで様々なセキュリティのリスクに繋がる可能性があります。これだけ紛失や盗難のリスクは怖いのです。

これを防ぐためには、パスワード強化・紛失対策や、リモートロックやリモートワイプなどの具体的な対策が重要になってきます。

データについては、休み前にローカルやクラウドストレージにバックアップしておくことで、海に落としてしまって端末が故障したなどの場合でも安心して利用する事ができます。

パソコンの盗難に注意

このように夏季休暇中通常よりもセキュリティの意識が低くなることで、様々なセキュリティリスクが発生する可能性があります。

安心して休暇を楽しむためにも、事前に対策を講じておくことが大切です。

夏季休暇(夏休み・お盆休み)にスマホ・パソコンで行うべき3つセキュリティ対策

夏季休暇中にセキュリティ事故が発生しやすく危険な理由を理解できたところで、対策について学びましょう。

セキュリティ対策はいろいろとありますが、今回は3つに絞ってお休み期間中を意識した対策を取り上げます。

初心者の方でも実践しやすいので是非ご覧下さい。

夏季休暇のおすすめセキュリティ対策1:強力なパスワードを使用する(弱いなら変更する)

基本的な対策ですが一番大事なことがパスワード対策です。

パスワードを突破されてしまうと様々なデータにアクセスできてしまい、あなたの大事なデータにアクセスされたり、消されたり、ばらまかれたりします。個人情報等も盗まれることは覚悟しておく必要があります。

パスワードは短い・簡単・覚えやすいなどのパスワードは絶対に避けて、覚えにくい英数字記号を組み合わせた複雑なパスワードを設定してください。パスワードは複雑なパスワードにしておけば、定期的に変更する必要はありません。変更するとしても、年に1回などでも十分です。簡単なパスワードを何回変更しても、パスワード攻撃ツールを利用されると簡単に突破されます。必ず複雑なパスワードであることが重要です。また、パスワードの使い回しも危険であり、1つのパスワードを複数のデバイスやWEBサイトで利用することは危険です。このパスワードの使い回しをしていると、例えば1つのサービスで利用していたパスワードが漏洩してしまうと他のサービスでもログインできることになりますので、大変ですがパスワードは1つのサービスにつき1つの複雑なパスワードであることが現代では必須となってきています。スマートフォンとパソコンを使用する為のパスワードは一番重要であり、複雑なパスワードであってもかならず記憶しましょう。

「絶対にそんなこと無理!複雑なパスワードを幾つも覚えられるはずが無い!」と思われると思います。はい。その通りです。

そんなときに便利なのが、パスワードマネージャーです。パスワード管理ツールとも呼ばれます。

身近な例としては、GoogleのChromeやMicrosoftのEdgeなどのブラウザに付属しているパスワード管理ツールです。

ブラウザで自動的に複雑パスワードを生成してくれますし、ブラウザに複雑なパスワードをサービス毎に保存できるようになってきています。ただし、繰り返しですがスマホやパソコンにログインする為のパスワードは複雑なパスワードにしておき、覚えておきましょう。

個人的にお勧めなのは、パスワード管理アプリを利用する方法です。これはChromeやEdgeなどの無料のパスワード管理ツールでは無く、有料のパスワード管理ツールです。少しのお金は掛かりますが複雑なパスワード管理から一切解放されます。もはやパスワードを幾つも覚える時代は終わったのです。パスワードをエクセルで管理して、エクセルファイルにパスワードを設定しているあなた!もうそんなことはしなくても良いのです。パスワード管理ツールならば、覚えるのはたった1つのマスターパスワードのみ。あとはパスワード管理ソフトで対応が可能です。

また、最近では指紋認証や顔認証などの生体認証を利用できるため、複雑なパスワードを覚えるという行為が基本的に無くなります。スマートフォンやパソコンのログイン時に利用してみると良いと思います。

加えて、最近では二段階認証や二要素認証といって、パスワードの認証が正しくても追加認証を要求する方式があり、これを利用するとセキュリティが大幅に向上します。 最後に大事なのはお休みの間にパソコンへログインする為のパスワードを忘れないこと・・・。でも悲しいことにお休み明けはなかなか思い出せないのですよね・・・泣

夏季休暇のセキュリティ対策2:フリーWi-Fiの利用には注意する

夏季休暇中はフリーWi-Fiを使用できる場所が非常に多く便利です。

カフェ・空港・コンビニ・レストラン・ホテル・高速バス・観光スポットなど様々なところで提供されていますが、前述したようにフリーWi-Fiは暗号化されていない場合や、不特定多数の人が利用していることにより、第三者によって通信内容が盗聴されるリスクがあります。安全ですよとは自身をもって言い切れないのがフリーWi-Fiです。

フリーWi-Fiを利用する為の対策は沢山ありますが、幾つかご紹介します。

Wi-Fiのネットワーク名(SSID)が、ホテルや観光スポットが提示しているネットワーク名と同じであるかを確認する

ホテルやカフェが提供しているネットワーク名(SSID)であるかを確認しましょう。同じような名前の偽のSSIDが飛んでいる場合は要注意です。

出典:総務省 無線LAN(Wi-Fi)のセキュリティに関するガイドライン

フリーWi-Fiは提供者が必ずいます。信用できるフリーWi-Fiスポットであり、スポットが公開しているネットワーク名(SSID)であるかを確認しましょう。よく分からないSSIDに接続することは絶対に辞めましょう。

暗号化されている通信かを確認する

出典:総務省 無線LAN(Wi-Fi)のセキュリティに関するガイドライン

Yahooなどのニュースやブログを読むなどの、いわゆる読むだけの行為はそこまでのリスクはありませんが、ホテルやカフェから銀行のインターネットバンキングや、WEBメールのログインなど、パスワードを含むインターネットを利用したサービスでは要注意です。

銀行口座情報やクレジットカード情報など、個人情報は基本的に入力しないことが対策の1つですが、どうしても入力しないといけない場合には、必ずブラウザのURL欄を確認して、鍵マークやHTTPSからはじまる暗号化通信かどうかを確認して下さい。

ただし、悪意ある第三者が提供するサイトでは、いくらHTTPS通信を使用しても意味が無いので、HTTPS通信かどうかだけでなく、利用しているフリーWi-Fiが正しい提供者なのか?やアクセス先のサイトが正しいかなど、複数の観点が必要です。個人的な意見ですが、どうしてもインターネットバンキングやインターネット証券などを利用する場合には、フリーWi-Fiではなく、スマートフォンのテザリング機能を使用して、ご自身のスマートフォンから利用してみてください。これならば接続元は信用できますし、テザリングのネットワークには第三者が接続できることはほぼありません。

VPN(仮想プライベートネットワーク)アプリなどを使用する

VPNという機能をご存知でしょうか。VPNはVirtual Private Networkの略で、インターネットを安全でプライバシー保護を行いながらデータ通信するための技術で沢山の実績があります。これまではVPNは企業向けの製品やサービスが一般的であり、例えば企業の本社と支社を結ぶためのVPNサービスや、サラリーマンが外出先から企業内のネットワークへ接続する為のインターネットVPNなどが一般的でした。最近では「個人向けのVPNサービス」が広まってきています。企業向けと同様に利用すると、インターネット接続が暗号化されて、第三者から通信内容を読み取られるリスクを低減することができます。個人向けのVPNサービスを契約すると、フリーWi-Fiに接続した後に、VPNサービスを起動して利用する事で、フリーWi-Fiであっても安心してネットワーク通信することが可能になります。フリーWi-Fiの課題をVPNサービスによって解決できてしまうと言う大きなセキュリティにおけるメリットがあります。あと、本コラムとは直接関係はありませんが、VPNサービスを利用することによって、海外から日本の映画やスポーツなどの動画配信サービスすることも可能です。動画配信サービスなどは接続元の国のアクセス制限をしていることも多く、海外旅行に来たけど、野球を見たいとかJリーグを見たいとかそういう事にも実は使える便利なこともあります。

 基本的には有料のソフトウェアとなりますが機能やサービスや価格は異なります。ほとんどのVPNサービスは、Windows、Mac、iOS、Androidなどの主要なプラットフォームに対応しています。

<参考>

やや技術的な話になりますが、Wi-Fiでセキュリティがどこまで守れているのかの範囲と、ブラウザによる暗号化通信HTTPSがどこまでを守ってくれるのかなどの分かりやすいイメージ図が総務省より提供されています。

出典:総務省 無線LAN(Wi-Fi)のセキュリティに関するガイドライン

夏季休暇中のセキュリティ対策3:紛失・盗難対策を行う

お休み中は移動やイベント等など、人が多い場所へ行くことにより、紛失リスクや盗難リスクが高まります。

紛失対策や盗難対策は、お休み前に設定やツールを導入して対策しておくことにより、もしもPCやスマートフォンの紛失・盗難が発生しても、位置を確認や遠隔からのロック、遠隔からのデータ消去などが可能です。

位置情報サービスをONにする

スマホやパソコンで利用できる位置情報サービスを活用することで、紛失時にも迅速に対応することが可能です。

普段位置情報をOFFにしている場合には、設定からONにすることで利用できます。

位置情報サービスを利用すれば、紛失時に場所が分かる可能性がある

スマートフォンの位置情報サービス

iPhone、iPad、MacなどのApple製品やAndroidなどのGoogleによる位置情報サービスがあります。

スマートフォンは電源OFFの状態である事が基本的には無い為、万が一紛失したとしても位置情報がすぐ確認できたりします。

しかもGPS搭載が一般できてあり、測位できればかなり正確な位置まで把握することができるので、紛失した場所へ取りに行くことも可能です。

この他にもスマートフォンを遠隔からロックして、ログインなどの操作を無効化する機能であるリモートロックや、遠隔からデータを消去することができる機能であるリモートワイプなどもAppleアカウントやGoogleアカウントからも可能になっています。注意点はバッテリー残量と電波のエリア内かどうかです。スマートフォンの電源が入っていないと見つかる可能性がなく、遠隔命令も届きません。

スマートフォンは個人の写真や動画が一番大事だと思いますので、無くなっても問題無いようにクラウドサービスによる写真サービス等へ適時バックアップしておくことが重要です。

パソコンの位置情報サービス

Windows 10およびWindows11やMacOSなどでも紛失や盗難の対策が可能になっています。

位置情報サービスはOS設定で予めONにしておく必要があり、位置をスマートフォンやPCのブラウザからMicrosoftアカウントを使用して確認が可能です。

スマートフォンよりも大事なデータが保存されている可能性があるため、位置情報だけでなくリモートロックやリモートワイプが大事になります。注意点はパソコンの電源状態です。パソコンを利用しているとき以外は電源がOFFになっていることが殆どであり、バッテリーもスマートフォンより持たないことに注意が必要です。GPSも搭載されていない事が殆どです。企業のパソコンやスマートフォンは、位置情報だけでなくリモートロックやリモートワイプにより対策ができますが、個人向けの製品は実はなかなかありませんが存在します。夏休み期間中などの期間は個人のスマホやパソコンを持ち歩くことになりますので、是非リモートロックやリモートワイプの導入をお進めします。 本コラムのサイトを提供しているワンビ株式会社では、Windowsパソコンでリモートロックやリモートワイプで紛失・盗難対策が可能な個人向けの製品も提供しております。導入後一定期間は無償で利用することが出来ますので、是非お気軽にお申し込み頂ければと思います。

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例えば7月に申し込めば8月末まで利用可能なキャンペーンをやっていますので、夏休み期間中だけお試しなどもできますよ。

紛失時にはリモートロックやリモートワイプが便利

まとめ

今回は夏季休暇(夏休み・お盆休み)でスマホ・パソコンのセキュリティ対策が重要な3つの理由と3つの対策についてご紹介しました。

もっといろいろな事を知りたい方に向けて、お勧めのガイドラインがあります。

「夏休みのセキュリティ対策2:フリーWi-Fiの利用に注意する」で取り上げたセキュリティ対策ですが、総務省から国民向けにガイドラインが無料で公開されています。

総務省 無線LAN(Wi-Fi)のセキュリティに関するガイドラインとは、総務省が公開している無線LANのセキュリティに関するガイドラインであり、詳細について知りたい場合ダウンロードして確認して下さい。ここでご紹介した内容以外にも有益な情報がより詳しく掲載されています。

総務省 無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)について

この他に、本過去コラムで「公衆Wi-Fi利用者向けのポイント」の解説コラムとしてまとめていますので、ご興味がある方はこの機会に是非ご参照ください。

総務省 無線LANのセキュリティに関するガイドライン【その1】~公衆Wi-Fi利用者向けのポイント~

夏季休暇に入る前にしっかりと注意点を確認し、必要な対策を行って、しっかりと休暇を満喫しましょう。

今回のコラムはこの辺りで締めくくりたいと思います。今回もありがとうございました。よい夏休みをお過ごしください!

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この記事を書いた人
井口 俊介

ワンビ株式会社
セキュリティエバンジェリスト 井口 俊介

高等専門学校卒業。大手企業のミッションクリティカルシステムのアカウントサポートを担当。
その後プロジェクトマネージャーにてITインフラの導入に携わる。
2020年からワンビ株式会社でエンドポイントセキュリティのプリセールスとして従事。営業技術支援、セミナー講演、コラムの執筆など幅広くセキュリティ業務に携わる。

ワンビは情報漏洩対策の専門家です。情報漏洩に関する様々な情報はこちらからどうぞ!

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