海上保安庁、尖閣諸島沖での中国漁船衝突の映像が流出

会社名 海上保安庁
株式情報 非上場
漏洩種別 流出
漏洩対象 Web
漏洩場所 社外
漏洩内容 尖閣諸島沖中国漁船衝突映像
漏洩件数
漏洩日時 2010/11/4
発表日時 2010/11/5

2010年9月、日本と中国との間で問題となっている沖縄県・尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁の巡視船衝突事件のオリジナルらしきビデオ映像が11月4日深夜「Sengoku38」という25歳の日本人の投稿者でYoutubeにアップロードされ、TwitterのRTなどで一気に広まった。

本来海上保安庁が撮影したビデオ映像は約2時間だが、流出した映像は重要な箇所を選んで編集されており、全部で6本で合計約44分の映像となっている。映像には中国漁船が日本の巡視船と並走して進んでいる様子や中国漁船がカーブして日本の巡視船に衝突する様子、中国語や日本語での停船命令を行いながらも中国漁船が巡視船に衝突している様子が映っている。

海上保安庁が撮影した沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突の流出で、映像は石垣海上保安部が編集し那覇地検に提出した映像の一つであることが判明。那覇地検に提出された映像は1本だが、映像の長さや編集の仕方や内容が酷似しており、また政府が国会に提出した映像より長いことから海保が撮影した捜査資料の一部だと思わる。映像はビデオのメモリースティックに記録し、巡視船から発生当日に衛星通信の秘匿回線で海保本庁などに送られビデオテープに落とされていた。

元の映像の保管が海上保安庁と検察当局で捜査資料はネットにつながらない環境で保管しているため、内部の職員による複製や持ち出しなどによる流出の疑いがあるとみて調査をおこなっており、海上保安庁は石垣海保と第11管区海上保安本部に職員を派遣し、ビデオ映像の管理状況やコンピュータの記録を詳しく調べる。

ユーチューブを運営するグーグルのサーバーにはパソコンに割り当てられているIPアドレスが保管されており、映像を投稿したパソコンのIPアドレスからどこから投稿されたのかが確認できる。海上保安庁などは、グーグルの協力を得て投稿者の割り出しを急ぐ方針であるが、グーグル側はプライバシーにかかわる問題なので簡単には答えられず、捜査協力の要請があれば調査を検討するとしている。

海上保安庁の関係者の話から、石垣海上保安部での映像の管理が検察当局と比較して断然緩かったことが発覚。事件発生後、すぐに証拠として必要な部分を抽出して編集し那覇地検に提出した後馬淵澄夫国土交通相の指示で映像管理が厳格化されて記録媒体が金庫で保管されるまでの約1か月の間、映像データのコピーは管理担当者が保管してはいたものの簡単な許可だけで記録を残さずに映像の持出しやコピーが可能だったことから、石垣海保から映像が流出した可能性もあり、職員の聞き取り調査などを進める。(2010年11月6日追加)

流出した映像は石垣海上保安部から流出した可能性が高いことが分かった。当該映像は石垣海上保安部勤務の海上保安官の名前や状況説明字幕などがあり、同保安部が那覇地検に提出した映像の一部と判明。同保安部職員が自分が編集した映像であるという証言もあり、映像が海保のものであることを裏付けた。また、検察当局では内部調査を終了し、専用サーバーやUSBメモリの使用記録から内部での不正利用は確認されず、検察内部からの流出はほぼないことが判明した。(2010年11月7日追加)

海上保安庁は自らの内部調査の限界から、2010年11月8日
国家公務員法(守秘義務)違反と不正アクセス禁止法違反の疑いで、
容疑者不詳で警視庁の警視総監と東京地検の検事正宛てに刑事告発した。(2010年11月8日追加)

海上保安庁から告発を受け警視庁捜査1課は沖縄県警と合同捜査本部を設置し内部調査を担当した海上保安庁職員らの事情聴取や調査結果の資料提出要請を行い、事実関係の把握を急いでいる。一方会場保安庁からの告発を受理した東京地検は、操作に協力する姿勢を
示しつつも個人情報保護により差し押さえ令状なしでの通信記録情報の提出に応じられないとしていたグーグルに対し、国家公務員法(守秘義務)違反での差し押さえ令状をもとにIPアドレスなど投稿者に関する通信記録を押収した。沖縄県警は海上保安本部のある那覇市のインターネットカフェが流出元になった可能性があるとみて、インターネットカフェに利用者履歴や防犯カメラ映像の任意提出を要請した。
(2010年11月9日追加)

東京地検がユーチューブを運営するグーグルから押収したIPアドレスを分析した結果、使用されたパソコンは神戸市内のインターネットカフェから投稿された可能性が高いことが判明。警視庁捜査1課は神戸市に捜査員を派遣し、映像が投稿された4日前後の
防犯カメラ映像やパソコン利用履歴などをもとに投稿者の割り出しを進める。(2010年11月10日追加)

神戸海上保安部の巡視艇「うらなみ」の主任航海士が同艇の上で上司に流出を告白、上司が神戸海上保安部に連絡し、下船後に待ち受けた警視庁に引き渡された。
その後の調べで、映像流出する直前に投稿したとみられる神戸市内のインターネットカフェの防犯カメラに同主任航海士らしき姿が映っていた。海上保安官はネットカフェにて流出させた旨を話しているものの、具体的な動機に関してはあいまいな供述をしていたが、新たに「映像は自分の部署でも見ることができた」と映像データの持ち出しや流出を認める供述していおり、警視庁捜査1課は裏付けを進めるとともに、実際に同部署内で映像閲覧が可能かどうか職場のパソコンなどを調べる。しかし、データの持ち出し時期や方法、動機については「今は言える状況ではない」
「そんなことは関係ない」など、供述があいまいで具体的な供述はしていない。(2010年11月11日追加)