HIRTが調査 ファイル交換ソフトを介した情報漏洩に不安

HIRT (Hitachi Incident Response Team)は、2008年9月18日から26日にかけてインターネットユーザにWebアンケートを実施、20,189人の有効回答を得てファイル交換ソフト利用状況や意識に関しての調査結果を発表した。

ファイル交換ソフトの利用状況

調査の結果、回答者の10.3%が現在ファイル交換ソフトを利用しており、昨年度の9.6%から増加した。また、利用されているファイル交換ソフトは、利用者数の順に、Winny 28.4%、Limewire 18.3%、Cabos 15.1%、WinMX 10.3%、Share 10.2%となっており、利用目的としては音楽58%、映画27.4%、他アダルト映像、テレビ番組、アニメ、ゲーム等があるが、3.3%と少数ながら「個人情報や流出情報のダウンロード」を目的としている回答者も存在する。

ファイル交換ソフトの利用環境

ファイル交換に利用するPCは自宅PCが96.6%と大多数だが、職場や学校のPCが10.7%と、昨年度の7.4%より増加傾向。また、自宅で利用するパソコンは自分専用が72.9%、家族と共用が27.1%となっている。 

ファイル交換ソフト利用時のセキュリティ対策の状況

セキュリティ対策としては、ウイルス対策ソフトの利用が80.4%と最多、昨年比8.1%増の一方で、特に何もしていない人は10.1%と、昨年比と変化がなく、依然一定数の利用者の情報漏洩リスクが存在する。
また、ファイル共有ソフトのウイルスに関して、ウイルスをダウンロードしたことがある人は45.5%、うち感染したことがある人は17.3%、わからないという人は16.9%存在。ソフト別ウイルスのダウンロード経験率は、Shareが59.3%と最も高いが、感染率ではWinnyの方が1.6%上回っている。

情報流出に対する意識

ファイル交換ソフトについて、情報漏洩がかなり心配という人が17.0%、少し心配な人が49.7%で、半数以上がファイル交換ソフトを介した情報漏洩に不安を持っている。性別では、不安を持たない女性が18.3%に対し、男性は30.8%と多い。また、自宅PCでは仕事をしない、という人は70.7%と昨年の57.7%を大きく上回ったが、年代が上がるにつれ自宅PCでの仕事比率が高い。
流出したファイルのダウンロード経験に対し、24.1%が経験ありと回答、昨年度の16.0%から増加しており、情報漏洩の影響が大きい。
過去利用者がファイル交換ソフトの利用をやめた理由はウイルスや、情報流出への懸念が34.2%と最も多い一方、職場・学校でファイル交換ソフトの利用が禁止されたのが理由とした人は3.3%にとどまっている。