- 元記事:公文書(電子データ)の消失事故について
- 元記事:公文書(電子データ)の消失事故について(第2報)
- HP:新潟県
発表日時2023/4/21
新潟県にて業務で使用している公文書管理システムの文書が人為的ミスで消失。同県にて文書の作成、決裁、保存の際に利用している公文書管理システムにて、3月24日から31日までに登録した公文書の添付ファイルが消失した。これはシステムの開発及び保守の委託先である富士電機ITソリューション株式会社の人為的ミスによるもので、外部からの攻撃などではないため、消失した情報の外部流出はないとしている。
県にて、システムに登録した文書の添付ファイルが開けなかったことから保守業者に調査依頼を行った結果、4月9日の夜にシステムからファイルが削除されていたことが発覚。調査を行った結果、原因は保守業者の人為的ミスによるもので、保存する添付ファイルの拡張子を大文字から小文字に変更した機能を適用したことにより、不要な添付ファイルを削除する既存のプログラムが「拡張子が小文字の添付ファイル」を不要と判断して削除されていた。
同社では当該機能を適用する前に、必要なテストや社内審査などの手続きをせずに適用させていたほか、開発担当者と運用担当者の間で機能の適用に関する情報共有もされておらず、県から不具合の連絡があった際に、運用担当者は新たな機能の適用も把握しておらず、添付ファイルが削除されるはずはないと思っていたため、3日間保存されるバックアップも、事態が発覚した際には3日が過ぎていたため削除されていた。
消失したファイル数は103,389ファイルで、現在消失したファイルが復旧可能かどうか確認しつつ、復旧作業を行っている。消失したデータは県民サービスのデータではなく、庁内の起案、決裁等の手続きに関するファイルであるため、県民や事業者等に大きな影響はないと推測しているが、業務や県民、事業者などへの影響も確認を行っている。
新潟県で使用している公文書管理システムに登録した公文書ファイルが消失した件で、保守業者にて復旧作業を行った結果、消失したファイル数103,389件に対し、復旧できたファイルは25,439で、復旧できなかったファイルは77,950件であることが判明した。復旧した25,439ファイルのうち25,112ファイルはシステムの別領域に保存されていたため再登録により復旧でき、327ファイルは各所属が内容を確認して再登録を行ったが、残りの77,950ファイルのうち各所属で保存控えがあるものは再登録予定となっているが控えがない場合については現在検討中となっている。(2023年5月9日追加)