オーストリアの高級ホテル「Romantik Seehotel Jaegerwirt」にて、客室のカードキーを発行する電子キーシステムがランサムウェアに感染し、宿泊客が部屋に入れず閉め出された。
当該ホテルはカードキーによって部屋のドアの開閉を行う仕組みであったが、攻撃者にこのカードキーシステムをダウンされた。これにより、コンピュータシステムは電子キーシステムの他、予約システムやキャッシュデスクシステムもダウンし、新しいカードキーの発行などもできず、宿泊客は自分の部屋に入れない状態になった。
攻撃者はビットコインで1500ユーロの身代金を要求してきた。同ホテルがサイバー攻撃を受けたのは今回が3回目で、以前にもシステム復旧に数千ユーロもかかったにもかかわらず保険金も入らなかったことから、安く済む身代金を払ってシステムロックを解除してもらい、事態を解決した。
しかしシステムにはバックドアが残され、さらなる攻撃が試みられたが、当該ホテルはコンピュータを入れ替え、セキュリティ対策も講じていたため、今回の攻撃による被害は免れた。しかし、次にホテルを改修する際には、客室の鍵はカードキーではなく普通の鍵による施錠に戻すとしている。