GoogleはWindows、Mac及びLinux向けに安定版のChrome 56を公開した。今回公開されたのはChrome 56.0.2924.76で、51件のセキュリティ修正を行った。
危険度「High」は7件で、Blinkに含まれるユニバーサルクロスサイトスクリプティングやWebRTCに存在する領域外メモリアクセス、V8に存在するヒープバッファーオーバーフローなどに対応した。
機能の修正点では、まずリロードが28%高速化した。Webブラウザをリロードすると、キャッシュの有効性確認のため数百のサーバリクエストを行うバリデーションという作業により時間がかかっていたが、今回のChrome 56では、リロードの動作を変更したことでバリデーションのリクエストを60%削減し、28%高速化した。これにより、他よりも時間のかかっていたFacebookのリロードもほかのサイト同様に高速化された。
もう1つの修正点は、HTTP接続に対する警告追加で、これはHTTPS接続を推進していることから、個人情報などの情報を要求するサイトにHTTP接続が使用されている場合には、そのサイトは安全ではないとみなされ、保護されていない旨の表示を行う。その他、以前から危険性が指摘されていたハッシュアルゴリズムの「SHA-1」を使用した証明書のサポートを終了し、今後は安全なサイトとはみなされず、サイトを閲覧しようとすると警告表示がされるように変更された。