ルックアウト・ジャパンは日本企業で働く20歳以上の男女1,000人を対象に、企業におけるスマートフォン利用動向及びモバイル機器業務利用に付随するリスクの実態調査を行い、その調査結果を公表した。今回の調査で、企業でのスマートフォン業務利用導入率は40%超え、個人所有のスマートフォンを利用する従業員が60%を超え、90%以上の社員がモバイルセキュリティが重要であると回答している一方で会社のルールを把握していない人が30%を超え、さらに12.4%の人が社内ルールを破っていることが判明した。
調査の結果として、大手企業では58.4%がiOSスマートフォンを利用し、Androidは36.6%であった。業務スマホでの危険行為として4.8%がジェイルブレイク、ルート化、8.1%が非正規アプリのインストール、20代男性の25%が不審アダルトサイトへのアクセスを経験している。また、セキュリティに関して、6人に1人が業務用スマホのパスワード未設定で、パスワードを設定していても5.6%が簡単なパスワードを使用、7.3%が紛失経験ありと回答し、そのうち会社に報告していない人は2%に上った。LINEの使用状況では、50%が業務の日常やり取り、さらに20%は機密事項のやり取りを実施していることがわかった。SNSの機密情報のやり取りではLINEの利用が23.5%、Facebookが7.5%、Twitterが4.8%であった。
会社支給端末では5.3%がジェイルブレイクやルート化し、9.1%が非正規アプリのインストールを経験しており、会社支給端末であっても情報漏えいのリスクの高い行為が行われている現実が明らかになった。私的端末では約60%が業務で使用し、22.3%がパスワード未設定、大手企業の47.6%以上でも私的端末を利用していることが分かった。
今回の調査で、企業の大きさに問わず、私的端末の業務利用が進んでいること、会社支給端末でもジェイルブレイクやサイドローディングなどによる情報漏えいリスクがあること、社員が社内ルールを破っていたり、気づかずに危険行為を行っていることが明らかになった。モバイル機器の導入により従業員の働き方が多様化し、生産性向上につながっているが、その分リスクも増加しており、きちんとした対策が必要となる。