Zero Day Initiative(ZDI)は2015年2月にMicrosoftのInternet Explorer(IE)に含まれる脆弱性を発見、Microsoftに報告し賞金を受け取った。しかし、Microsoftはこの脆弱性を修正しておらず、パッチの提供予定がないとして、この未解決の脆弱性の詳細情報を公開した。ZDIは通常、脆弱性が修正されるまで未修正の脆弱性の情報を公開するようなことはしておらず、バグのパッチが公開された後に情報を公開するが、Microsoftからは今回この脆弱性を修正する予定がないことが確認された一方で、この脆弱性に関する情報を提供する必要性があるとして、この脆弱性に対する防御策や改善のために公開を行った。この脆弱性が悪用されると、IEに実装されたASLRがバイパスされる恐れがある。しかし、Microsoftでは、IEの設定がデフォルトの場合にはこの脆弱性の影響は受けず、多くのユーザが影響を受けることはないとしている。一方、ZDIは同社の意見には賛同できないとして、ユーザにこの脆弱性の脅威を知らせ、ネットワークへの危険に対する理解を深め、対策できるよう情報を公開した。