警視庁が平成27年上半期のインターネットバンキングに係る不正送金の発生状況についての調査結果を公開した。それによると、平成27年上半期は平成26年下半期よりも件数、被害額共に増加したことが明らかになった。
同庁の調査によると、平成26年上半期の発生件数は1,257件で被害額18億5,100万円であったのに対し下半期には619件、10億5,800万円と大幅に減少していた。しかし、平成27年上半期では件数が754件に増加し、被害額も15億4,400万円に増加した。
金融機関別被害状況を見てみると、平成26年は都市銀行が16行、地方銀行64行、信用金庫・信用組合18行であったのに対し、平成27年上半期は都市銀行が11行、地方銀行が34件に減少したのに対し、信用金庫・信用組合の被害が77行と大幅に増加している。また、信用金庫・信用組合の被害額は平成26年上半期が約7,400万、下半期が4,800万であったのに対し、平成27年上半期は約5億3,100万件と激増している。
平成27年上半期の被害内訳を見てみると、都市銀行では個人の被害が652件、法人が88件、地方銀行では個人が223件、法人が20件であるのに対し、信用金庫・信用組合では個人が150件に対し法人が381件と個人の2倍を上回っている。不正送金の阻止率は平成26年下半期には31.4%にまで上昇したが、平成27年上半期には10.9%と前半期の約3割にとどまった。