ウェブメールサービスやスケジュール、共有サービスなど、多くのサービスはクラウドサービスとして利用されているが、そのクラウドサービス利用の際の注意点について情報処理推進機構(IPA)が呼びかけている。
普段クラウドと意識せずに使用しているものの一つにIMEがあるが、変換候補の効率化のためキー入力内容をIMEが事業者のサーバに送信する。この機能は通常初期設定で無効になっており外部に送信されないが、クラウド変換機能が初期設定で有効になっているソフトである場合、利用者が知らずに個人情報や機密情報などを入力した際に、気づかないうちに情報を外部に送信していることになる。
オンラインストレージサービスなどはデータがインターネットのサーバ上に存在しているため、インターネット利用可能な環境であれば移動中でも外出先でデータを参照でき、外出先での業務データの利用も便利であるが、データ共有範囲の設定を誤ったり、不正アクセスを受けると個人情報や機密情報が流出する恐れがある。
フリーのウェブメールは、メールを送る際に個人情報を含むメール本文の内容やメールアドレス情報がサービス事業者に送信され、IDとパスワードの流出により第三者にもメール本文や個人情報を盗み見されたり、情報が外部に流出や悪用される恐れがある。
また、普段何気なく利用しているオンライン翻訳サービスでも、翻訳したい文書に機密情報や個人情報を入力した際にサービス事業者に情報が送信されることになる。翻訳したい内容が会社の機密情報であった場合、知らない間に社内規定に反することになってしまうため、クラウドサービスでの利用には十分注意が必要である。