まもなく開催の「2014 FIFAワールドカップ」に便乗したサイバー攻撃が確認され、トレンドマイクロが注意を呼びかけている。同社は5月にバックドア型不正プログラムの「BKDR_BLADABIN.AB」を検出した。このプログラムは「nJRAT」で作成されたと思われる「BLADABINDI」の亜種で、攻撃者が遠隔からコマンドを実行してPC操作を行う恐れがある。このプログラムはスクリーンショットも取得でき、機密情報収集に悪用される恐れがある。この不正プログラムはワールドカップ関連のキーワードで検索すると検索結果から不正プログラムが含まれるサイトに誘導される。サッカー関連の攻撃はサッカーゲームのファンもターゲットになり、検索によりサッカーゲーム「FIFA 14」のキージェネレータとされるファイルに誘導されるが、実際には「ADW_INSTALLREX」として検出されるアドウェアであった。
ワールドカップに便乗した攻撃はフィッシングメールでも確認され、クレジットカード認証情報などの個人情報を取得する不正サイトが確認されている。こうした時事的なイベントには、不審なサイトやメールなど常に便乗した攻撃の危険性があることを念頭に、メールに記載されたリンクへのアクセスには常に警戒する必要性があるとして注意を呼びかけている。