個人情報を狙った不正アプリは多くあるが、中国ではスマートフォンから個人情報を盗み出す不正アプリの割合が想像をはるかに超えるものであることが明らかになった。上海の復旦大学によるアンドロイド向けアプリの調査の結果、中国で人気のアプリ330個のうち58%以上が個人情報を搾取していたことが判明。流出情報はアプリ開発会社や広告会社に送信され金銭目的に利用されている。アプリには利用者の位置情報を追跡するプログラムが組み込まれ、利用者は追跡されていることを知らない。また、アンドロイドアプリは電話番号、端末の型番、位置データ、通信記録、電話帳、メールの内容、SDカード内情報などなんでも入手でき、中国ではこの情報抜き取りが横行し暗黙のルールになっている。さらにこの風潮はネット広告会社にも広がり、広告会社がアプリの中にSDKを組み込んで本来の目的機能の他に個人情報を盗み出す仕組みも組み込んでアプリ開発会社に無償提供し、情報収集を行い広告に利用している。また、スマホにプリインストールされているアプリでも情報を外部に流出させる可能性もある。中国インターネットデータセンターの調査で中国でダウンロード数の多い上位1400個のアプリのうち66.9%が個人情報を抜き取っており、うち34.5%が常軌を逸した情報詐取行為を繰り返していることも判明した。