ヴイエムウェアは、職場のIT環境に関する利用動向調査「VMware New Way of Work Study」の結果を発表。同調査はアジア太平洋地域の日本、オーストラリア、中国、香港、インド、マレーシア、シンガポール、韓国、台湾、タイの多国籍企業に勤務する18歳~64歳までの男女2077人(日本では20歳~64歳までの男女210人を含む)を対象に、2012年1月~2月にかけて調査を行った。
日本での調査結果とモバイル端末利用の現状
まず今回の調査で、会社支給のノートPCの社外持ち出しを禁じられていると答えたのは71%で、PCの社外持ち出し禁止の理由として、情報漏洩を防ぐためという回答が97%、次いで紛失・盗難に伴う管理上のリスクを減らすためが69%と、企業は情報漏洩やセキュリティを懸念してIT機器の持ち出しを制限している。また、個人所有のモバイル端末から会社のデータベースへのアクセスの有無では、無いという回答が83%、会社で仕事での利用が許可されているモバイル端末の種類が定められているかという質問にも定められているという回答は73%となり、企業は個人端末の業務利用にも慎重な姿勢であることが判明した。
アジア太平洋地域と日本の調査結果の比較
個人所有のモバイル端末を仕事で使用しているかどうかの回答では使用しているという回答は日本では22%で、アジア太平洋地域10か国の中で一番低く、1位は韓国の96%、2位は中国で94%、3位はタイで90%、二番目に低いオーストラリアでも59%となっており、日本でのモバイル端末利用率はとても低い。また、自宅や移動中に仕事をするかどうかの質問でも、1位中国88%、2位インド87%韓国82%となっているのに対し、日本は最下位で37%となっている。
調査結果から見える日本のセキュリティ意識とモバイル端末活用の慎重さ
今回の調査で日本企業におけるセキュリティに対する意識の高さが他国に比べるととても高く、ノートPC、スマートフォン、タブレットなどのモバイル端末の業務利用による情報漏洩のリスクを懸念し、導入の躊躇、モバイル端末の持ち出しに制限があることが示された。個人所有端末の業務利用は仕事の効率化や生産性向上の点でメリットがあると認識しているにも関わらず、モバイル端末の持ち出し制限により在宅や社外、移動中に仕事をする“リモートワーク”の浸透度も域内で最も低い水準で、効率的な仕事をするうえでの壁になっている現状が明らかになった。セキュリティ重視の結果多様で柔軟な働き方が確保されていない現状で、今後有事や緊急時を想定した柔軟なワークスタイルの実現に向けて多くの課題が残された結果となった。